あなたは「ファレホ」という塗料をご存じだろうか?
わたしはこれまでGSIクレオスの水性ホビーカラーやタミヤのタミヤアクリルカラーを使用してきたが、「駆逐艦 雪風」の製作からこの「ファレホ」という塗料を試してみたので、その感想や使用感を紹介します。
結論から言うと
超絶気に入ってしまった!!
であるw
初心者でも扱いやすい塗料「ファレホ」をご紹介
「vallejo(ファレホ)」とはスペイン生まれの高性能水性アクリル塗料のことです。
日本では株式会社ボークスが総代理店を務め販売しています。
これまでは「ファレホ」を取り扱っている限られた店舗やボークス社のHPでしか購入できなかったが、現在はamazonや楽天などでも購入することができます。
「ファレホ」の特徴
この塗料の特徴としてはこんな感じ。
1. 水性塗料のわりに乾燥時間が早く塗膜も丈夫
2. 塗料特有の臭いが少ない。いや、全くないといってもいいくらい。
3. とにかく色数が豊富!目的に合わせ多彩なカラーが用意されている。
「ファレホ」を使うメリット
わたしが思う「ファレホ」のメリットをまとめてみました。
水性塗料なのに乾燥時間が速い
さすがにラッカー塗料とまではいきませんが、それでも水性ホビーカラーやタミヤアクリルカラーと比べると乾燥時間が早いですね。エアブラシで塗装していて30分くらい待てば2度塗りができる感じです(やる場合は自己責任でお願いします・・・)。
塗膜が丈夫
これも水性塗料としては塗膜が丈夫なイメージです。塗装後に何かに軽くぶつけた程度では塗装は剥がれませんでした。程度によりますが。
ただ、艦船模型をやっているわたしにとってはあまりメリットにはならないですね。
筆ムラが出にくい
塗料の伸びが良く、筆ムラが出にくいと感じました。
まぁ、わたしは現在はエアブラシがメインなので筆塗装はあまりしませんが(補修程度で筆を使用)、水性ホビーカラーなどよりかは塗り易かったです。ほんのちょっとの差だけどねww
カラーの種類が豊富で色調もできる
とにかく色数が豊富にあって驚きます!スタンダード、エアブラシ用、メカカラー、ミリタリーなど目的別に多彩なカラーが用意されています。そしてすべてのカラーは混ぜて調色することが可能。
艦船模型では忠実に色を再現しない限りはカラーを混ぜて調整することはありませんが、これはうれしいですね。
塗料特有のシンナー臭がしない
水性アクリル塗料は有機溶剤の含有量が少ないので元々臭いがあまりしません。
ファレホの場合は「ほとんど臭いがしない」と思っていいです。鼻を近づけて臭いを嗅ごうと思わない限り臭いを感じることはありません(個人差はあります)。
「ファレホ」を使うデメリット
わたしにとってはメリットだけで使ってみる価値はありましたが、実際使ってみて「んー、これはなぁ・・・」って感じたことがありました。
単価が高い
メーカーや色の種類によって違いますが、水性ホビーカラーが大凡¥120程度に対しファレホは¥300程度と約2倍の値段がします。
内容量が水性ホビーカラーが約10mlに対しファレホが約17mlなので一概には比べられませんが少し高いなと感じました。
塗料はまとめて買うことが多いのでレジの前で思わず「たかっっ!?」と言ってしまうはずですw
ファレホ自体の情報が少ないので必要な情報が得られない
日本では新しい塗料として最近取り扱われるようになったので、ファレホを使用しているユーザーが少ないです。そのため塗料に関する情報が少ない(涙)。
カラーが豊富にあるのはメリットなのですが、逆にどれを使えばイメージする色になるのかが分からないんですよね。
例えば艦船模型でいうと水性ホビーカラーでいう軍艦色(2)はファレホでいうとどれなの?て感じです。調べても情報が得られないのはつらいですよね・・・
エアブラシのノズルがよく詰まる
ファレホは乾燥時間が早い代わりに、その影響でノズルがよく詰まります。
しかしこれはフローインプルーバー(詰まりを緩和してくれる溶剤)やファレホ専用シンナーなどの溶剤を活用すればそんなに気にならなくなります。
はじめて使う人はびっくりすると思うので知っておいた方がいいです。
「ファレホ」の種類
ファレホは目的別に多彩なカラーが用意されていますのでその一部をご紹介します。
モデルカラー
ファレホのスタンダードシリーズ。筆塗り用で筆むらも出にくく広い範囲に塗装できます。
水や有機溶剤で希釈する事で、エアブラシでの塗装も可能。
「モデルカラー」「蛍光カラー」「メタルカラー(アルコール系)」と3つの種類がある。
モデルエアー
エアブラシ用ファレホのスタンダードタイプ。エアブラシのノズルが詰まりにくいよう非常にきめ細かい顔料でつくられている。
しかし、実際は原液のままだと詰まるカラーもあるので水や専用の溶剤で希釈するのがベター。
ゲームカラー
ファンタジー系キャラクターフィギュア等のために開発されたカラーです。非常に乾燥が早いのが特徴。乾燥後は摩擦や摩耗に対する耐久性もあります。
またエアブラシ向けに調整された「ゲームエアー」シリーズもありますよ。
メカカラー
キャラクターモデルに合う鮮やかな原色を中心にラインナップされています。ロボットキャラクターなどに最適なので、使ったことはないですがガンプラとかと相性がいいのではないでしょうか?
濃さは筆塗り用途とエアブラシ用の中間なので、筆塗り・エアブラシの両方が快適にできます。
メタルカラー(水性アクリル系)
エアブラシ専用の水性アクリル系メタルカラーです。プラスチックや金属素材にもプライマー無しで確実に定着し、強固な塗膜を形成します。
私は艦船模型の色を忠実に再現しようとは思っていませんので、こういったメタルカラーで表現してみてもおもしろかなぁと。こんど挑戦してみます。
この他にもプライマーだったり砂や泥の痕を再現できる特殊なカラーも用意されています。また、○○カラーセットという感じで○○を塗装するのに必要なカラーをセットで販売してたりします。非常にありがたいですね。
「ファレホエアー」をエアブラシで使ってみる
さいごに実際にエアブラシで「ファレホエアー」を使ってみたのでノウハウ的なことを紹介しておきます。
前提として、エアブラシ初心者(というかプラモデル始めたばかり)であることは忘れないでくださいw。
塗料の分量
「ファレホエアー」はエアブラシ専用に濃度を調整してありますが、それでもノズルが詰まり易いので「フローインプルーバー」と「エアブラシシンナー」を使って希釈して使用します。
希釈の分量はこんな感じ。まぁざっくりなんで自分で試してみて調整してください。
・ファレホエアー 6滴
・エアブラシシンナー 3滴
・フローインぷルーバー 1滴
ホワイトやレッド、ライトブラウンなど隠蔽力の低いカラーはこの分量だとエアを吹いた時、なんだか水っぽくなったのでカラーを直接使うか、分量を調整したほうがいいですよ。
エア圧の設定
もう1つ気になるのはエアブラシのエア圧ですよね。どれくらいのエア圧が最適か?って話なんですが、これは自分で試して調節してくださいw
と言ってしまうとお話にならないので、わたしの場合の設定をご紹介します。
・全体を塗装する場合
0.08MPa ~ 0.10MPa
塗料は多めに吐出するよう調整
・細吹きする場合
~ 0.05MPa
塗料は少なめに吐出するよう調整
ざっくりこんな感じです。
ファレホの情報を探っているとエア圧は結構高め(0.10MPa以上)に設定すると紹介されていますが、この設定でも問題なく塗装できますよ。
ニードルの詰まり対策
ファレホでまず上がるのがこの問題。正直、結構詰まります・・・
エア圧を低くして細吹きしてると頻繁に詰まっちゃいますね。
そこでわたしが行っているニードルの詰まり対策を紹介します。
詰まるといってもストレスになるほどではないので、そんなに気にする必要はありません。
・カラーを「フローインプルーバー」と「エアブラシシンナー」で希釈する。
・詰まってきたらエアブラシシンナーで浸した筆でニードルをごちょごちょする。
・エア圧を高めに設定する。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
何かのきっかけで「ファレホって塗料がいいらいいよ。」的な記事をみかけ、それなら自分も使ってみるか!!と思い「駆逐艦 雪風」の塗装から「ファレホ」で挑戦してみました。
まだ1隻しか実績はありませんが、かなり満足しています。
それはやはり
- 乾燥時間がはやい
- ワンドロップ式ボトル(目薬みたいな容器)だから使い易い
- 何気に仕上がりがいい感じ?
からだと思います。
ファレホのユーザーレビューをみると「エアブラシのノズルが詰まって使いにくい」という書き込みが多くみられますが、工夫次第でどうにかなります。
それよりもメリットの方が大きいのでわたしは十分おすすめできる塗料だと思います。
いじょう